年末のごあいさつ
今年も残すところわずかとなりました。利用者の皆さま、そして日頃から当事業所を支えてくださったご家族・関係機関・地域の皆さまに、心より感謝申し上げます。振り返れば2025年は、社会全体が物価高騰や人手不足、働き方の変化など、さまざまな揺れの中で進んだ一年でした。福祉の現場も例外ではなく、就労継続支援B型事業所を取り巻く環境は一段と厳しさを増し、その中で “何を守り、何を変えるべきか” を常に問い続けた一年でもありました。
エール万富でも、製品単価の見直しや作業効率の向上、地域協働での新たな取り組みなど、試行錯誤を重ねながら支援の質向上を追求してまいりました。特に今年10月には、利用者の皆さまの頑張りに応えるべく、工賃支給額を見直し増額することを実現できました。この改善は、日々の積み重ねを欠かさず取り組んでくださった利用者の姿勢、そして事業所の挑戦を支えてくださった皆さまのお力添えがあってこそ達成できたものです。小さな一歩ではありますが、「働く喜びを確かな形にする」という私たちの使命を象徴する取り組みとなりました。
一方で、支援内容の再構築や作業工程の改善、利用者の多様なニーズに応える体制づくりなど、うまくいったことばかりではなく、何度も立ち止まり方法を見直した“学びの連続”でもありました。B型事業所を利用される方々の背景は年々多様化し、障害特性や生活リズム、健康状態など、抱える課題もさまざまです。「その方が無理なく続けられる形とは?」「自信につながる瞬間をどうつくるか?」 支援者としての視点が試される場面が数多くありました。それでも、利用者の一歩一歩が積み重なり、その日々の変化がやがて未来をつくっていくことを、私たちはこの一年であらためて実感しました。
年が明け2026年を迎えるにあたり、エール万富は“安定した日常と挑戦の両立”をこれまで以上に大切にしていきたいと考えています。働く場所として安心できる環境を整えることはもちろんのこと、時代の流れに取り残されないよう、新しい作業の導入、地域との協働、デジタル化への対応など、より多角的な支援への挑戦を続けていきます。また、利用者の皆さまが「自分にもできる」「ここに通うことが自信につながる」と感じられるよう、一人ひとりの強みをさらに活かす支援体制を築いてまいります。
年末の冷たい空気に包まれる12月は、一年の重みが静かに心に宿る季節でもあります。どうか皆さまが穏やかな年末年始を過ごされ、新しい年が健やかで温かな時間に満ちた一年となりますことを心より願っております。
本年もエール万富をご信頼くださり、本当にありがとうございました。
来年も職員一同、皆さまの「働く」を力強く支え、より良い事業所づくりに努めてまいります。どうぞ変わらぬご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
